看護師が知っておきたい脂質ガイド

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脂質は、臨床的に、動脈硬化の危険因子として悪者のように語られることが多いです。
ですが、一見悪者であっても、私たちの生体には不可欠な構成要素であり、
重要なエネルギー源でもあります。

脂質とは

脂質に関する用語としては「脂質」、「脂肪」、「脂肪酸」などがあります。

 

脂質(lipid)

 

脂質に関するものの中でも、最も広範囲をさすものは「脂質(lipid)」で、
脂質とは、水と混ざりにくい性質の物質の総称です。

 

この脂質(lipid)の中に、中性脂肪やコレステロールをはじめとした
様々な物質が含まれています。

 

脂肪(fat)

 

脂肪(fat)は、中性脂肪のみをさしていることが多いのですが、
脂質と同様の意味で使用されることもあり、
適用範囲が曖昧です。

 

脂肪酸

 

脂肪酸も脂質の一つです。
脂肪酸は、誘導脂質(脂質を分解して得られる物質)で、
様々な脂質に共通する構成要素となっています。

脂質の疎水性と親水性

ひとくちに「脂質」と言っても多種多様な物質が存在します。
そして、その生体における機能もかなり異なっています。

 

ですが、「水と混じりあいにくい」という共通の性質が脂質の生理学を理解する際に、
常についてまわるので、ひっくるめて「脂質」というように扱われています。

 

この水と混じりあいにくいという性質を、「水を疎んじる性質」という意味で、
「疎水性」と呼び、逆に水と混ざり合いやすい性質を「親水性」と呼びます。

 

看護師として、個々の細かい化学構造を知るところまでは必要ありませんが、
脂質の疎水性がどこから来ているものなのかは詳しく知っておく必要があるでしょう。

 

水の分子式は、「H2O」です。

 

水分子は、全体としては電気的に中性ですが、
Hの辺りがプラス気味に偏り、Oのあたりはマイナス気味に偏るなど
電気的には偏った状態になっていて、
極端に偏ればNaClのようなイオン性物質になります。
これを「極性」と呼び、水に溶ける側の物質も、
この極性が大きければ大きいほど溶けやすい傾向になっています。

 

「C」・「H」・「O」などのごく少量の元素で占められる有機物質について言うと、
「O-H」の結合部は親水的になり、「C-H」の結合部は疎水的になります。

 

例えば、脂肪酸は、「C」、「H」からなる鎖の先端に、酸の構造であるCOOHを備えています。
脂肪酸の場合は、先端部分だけは親水的ですが、
鎖の部分は疎水的であり、鎖が長ければ長いほど先端の親水性は目立たなくなります。

 

親水性と疎水性は、二元論で語られるものではありません。
比較的、程度の問題であることに注意すべきです。

 

つまり、どれくらい疎水的であれば脂質と呼べるかという明確な基準はありません。
そして、脂質の中でも、疎水水の度合いは様々で、
一つの物質に親水的な部位と、疎水的な部位が共存する事も決して珍しいことではありません。